いま関西の生コン協同組合は、労働組合との協力関係によって価格改定が相次ぎ、軒並み再建基調にあります。
大阪広域生コンクリート協同組合(広域協組)は1994年に設立され、2017年12月1日時点で164社189工場を誇る日本最大の生コン協同組合です。
今の広域協組は、中小企業等協同組合の精神に反し、意にそぐわない企業には本来の出荷割り付けを行わないなどの独裁的・恫喝的で不平等な運営を行っています。
また、憲法で保障された労働組合の権利を侵害して、不当労働行為を繰り返しているのです。広域協組内に「対策本部」を立ち上げて、私たち関西地区生コン支部(関生支部)への敵意をあらわにしています。10億円もの予算を確立し、在特会など差別・排外主義者集団と一体となって、関生支部が長年の運動で築いてきた労使の枠組みや集団交渉つぶしに奔走しているのです。
その最大の目的は、協同組合運営を正すための「6項目提言」の実行を求めてきた関生支部を黙らせること、そして、私たちが昨年12月の取り組みによって勝ち取った生コン輸送やセメント輸送運賃の引き上げ(労働者への還元も含まれる)などの成果をなきものにすることです。
広域協組の執行部との約束(業界再建のための①環境整備基金(1m3あたり100円)の拠出、②環境整備事業・労働福祉事業・労使間の紛争予防、③その他の「11・25協定」にかかる取り組み)などを葬り去るため躍起になっているのです。
これが今の闘い、関生支部と広域協組との争点です。
「6項目提言」とは、①労働組合と良好な協力関係築く。②協同組合の品位を汚さない。③理事職は公人職であり、私的利益は慎む。④生コン経営者会への全社加入。⑤労使の協力関係を内外に公表する。⑥ミキサー・セメント輸送運賃引き上げるなど6点にわたる課題・提言です。
これら6つの課題は、協同組合が健全に発展するため必要不可欠なものです。現在、広域協組は、大阪府下では99%という独裁体制です。したがって優越的地位の乱用をあらため、社会的義務として6項目提言を謙虚に実行するときなのです
広域協組に対する私たちの6項目提言
①労働組合と良好な協力関係築く
広域協組は、業界各社の倒産の危機が進行するなか、1994年に労働組合と業界との協力のもと大阪府下の5つの協同組合が一本化して設立された協同組合です。
しかし、広域協組は、値戻しがすすむと労働組合外しをおこなうとう悪い歴史を繰り返してきました。現在の労働組合への攻撃は、過去の歴史から学ぶことなく、労働組合に対する敵対行為であり、これは業界破滅の道です。
②協同組合の品位を汚さない
「言うことを聞かない」と称して「おんどれ」とか「いてもうたろか」など、協同組合の品位を汚す行為があった事実を認め、今後かかることの無いようにすること。
③理事職は公人職であり、私的利益は慎む
理事職は、公人職であり、この公人は協同組合の組織綱領、理念、総会決定の具体化することを任されているのです。役職を利用して個社又は私的利益の誘導などは一切慎むこと。
フェラーリなどの高級車を2台も購入している事業者もおり、役得による利益をむさぼっているのではないか。
④生コン経営者会への全社加入
歴史が証明しているとおり、労働組合と協同組合とは共通した課題について相協力することが業界安定の道であると互いに再認識しなければならない。協同組合加入全社が大阪兵庫生コン経営者会に加入するよう約束していながら、この約束を蔑ろにしているのが協同組合である。
⑤労使の協力関係を内外に公表する。
労使の協力関係が協同組合の基本方針であることを内外に明らかにすること。
売り価格決定には、生コン輸送・バラセメント輸送・ダンプ・骨材などの適正運賃等の反映と環境保全、教育・広報活動などの諸政策費用を考慮すること。
この点についても約束をしながら、それを反故にしている。
⑥生コンミキサー・セメント輸送運賃引き上げ
現在、生コン市況は値上げ基調で推移しています。2005年以前のころと比べると5000円以上価格が回復しています。この価格回復については、生コンの製造事業者だけでなしえたものではなく、労働組合との協力の下、実現したのである。
広域協組執行部はこういった事実を再認識し、今まで約束してきた生コンミキサーやセメントの輸送業者(その先にいる労働者)に価格回復で得た利益を公正・公平に還元しなければならない。